現時点で確かなこと
- 2025年6月13日、イスラエルがイランに先制攻撃を行った。軍事施設・核施設が空爆を受けた。
- それに対してイランが報復。ドローン、巡航ミサイル、弾道ミサイルをイスラエルに向けて発射。万全の防空体制のイスラエルがほとんど迎撃したものの、少数の弾道ミサイルがテルアビブに到達し、被害が出ている。
イスラエルの報道規制について
開戦1週間の時点で、イスラエル側の死者は20名ほどと報道されている。
「イラン側と比較して圧倒的に少ない」というのは事実だろうが、それにしても少ない。
攻撃の規模、頻度から、(信頼できない)ネットから入手できる情報から考えても、もっと被害者は多いのではないだろうか。
- ミサイルが着弾したビルは、ほぼ半壊するほどの被害を受けている。数十名という規模ではない。
- 他にミサイルの被害を受けた(と報道される)建物は、大使館出張所とか病院とか非常に偏っている。これはイスラエルは公表したいところだけ公表して、他は秘匿しているからではないか(氷山の一角、それとも私のトンデモピアノ調律師推定?)。
「戦争の最初の犠牲者は真実である」ということ。
イスラエルが引かない理由
開戦1週間。イスラエル側から考えると、
- イランの要人を暗殺した。
- フォルドゥを除き、核施設に大きなダメージを与えた。
- イラン空軍にもダメージを与え、航空優勢を確保した。
- イランの核開発能力、軍事力の回復には数年は要すると思われる。
と、所定の目的を達したように見える。
ここでイスラエルが攻撃の手を緩めていいように思われるが、実際はさらにエスカレーションするように動いている(アメリカへ協力を要請)。
何故だろうか。
ここで、イスラエルが休戦するシナリオを考えてみる。
- 一旦和平を結ぶ。
- 数年間、得意の諜報戦/情報戦でイランを監視する。
- 核開発能力が回復してきたら、何食わぬ顔で先制攻撃する。
- 1に戻る。
これはイスラエルが旧来行ってきたことだ(オスロ合意、ゴラン高原etc)。
イスラエルにとっても、これ以上の粗暴な攻撃は国際社会の反感を買うし、戦争ばかりして国力を削いでしまっては元も子もない。
いったん手打ちにしてまた次の攻撃の機会を探る、という方針は良い落とし所に感じる。
しかし現時点(2025/06/20)で、そのような雰囲気は微塵もない。
考えられる原因は、
- 正常な判断ができないほど、イスラエルが右傾化した(戦闘民族サイヤ人化)。
- 所定の目的が達成できていない。
くらいだろうか。
正常な判断云々は、よく分からない。そもそも、平和民族ニホン人(の私)からすると、ここ数年のイスラエルの行動は理解不能だ。
イランの核兵器について
イランのドローン、巡航ミサイルは当然のごとく迎撃された。
ここで重要なのは、弾道ミサイル(極超音速?)が目標に達したということである。
いかにイスラエルのミサイル防衛システムが優秀でも、100%迎撃することは出来ない。
現在のイランのミサイルでも突破可能なのだから、飽和攻撃や軌道変化やMIRVなど(防衛側と比較して)小改良を加えるだけで、さらに確率を挙げることができる。
ここで、イランが核兵器を保有し、イスラエルとの全面戦争が勃発した場合を考えると、
- イスラエルの防空網を突破し、核攻撃を実施することができる。
- 双方壊滅的な被害が予想されるが、狭い国土に高度な都市を築いているイスラエルと、広い国土に街が散在しているイランとでは、確定的に明らか。
現在、軍事力は圧倒的にイスラエル優位だが、核兵器によりイスラエルとイランが対等の立場になる。
そうなれば、今のようにイスラエルはイランに攻撃できなくなる。
つまり、来年のノーベル平和賞は核兵器に贈られるということだ・・・
弾道ミサイル+核兵器
良いか悪いかという問題は別にして、これ以上強力な組み合わせはない。
核兵器を所持した国には、人類史上最強の国家アメリカでさえ手も足も出ない。