自転車は、とても風の影響を受けやすい。自動車や徒歩では、大して苦に感じない向かい風でも、自転車だと強く感じる。逆に、追い風の時は、とても楽に進む。
同じような事が、人生や、世の中の事でも言えるのではないか。
強い向かい風の時は、漕いでも漕いでも、なかなか前に進まない。顔に当たる風も強く、しんどい事この上ない。まさしく逆風だ。
逆に、強い追い風の時は、大して漕がなくても、不思議なほど楽に進んでいく。順風満帆とはこの事だ。
同じくらいの強さの逆風と順風でも、感じ方は異なる。逆風の時は、とても強烈に感じる風も、順風の時はそれほど感じない。風が自転車を押して進ませてくれるわけでもなく、通り過ぎる風のスピードが多少弱いかな?と感じる程度だ。同じ強さの風でも、逆風は強く、順風は緩い。
このことは、自転車以外にも通じると思う。普段の生活でも、やる事なす事、なかなか上手くいかなくて、「すごい逆風だな、こりゃ」と感じる事はあっても、何でもかんでも上手くいって、「順風満帆だな、こりゃ」と思う事は比較的少ない。追い風も向かい風も、同じくらいの頻度で来るとしたら、おそらく追い風の時は気がついていないのだろう。
逆風の時はつらい。誰にでも分かる。
だけど、順風の時は、気がついていないだけかもしれない。今この状態は、無風かもしれないし、実は順風が吹いているのかもしれない。