少子化高齢化に伴い、医療・介護にかかる社会コスト(経済コスト)が増加していくことは、多くの人が何となく理解できるのではないかと思う。ここでは、少子化高齢化が、どのように経済コストの増加に繋がっていくか、説明したい。
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人口減少
人口減少自体は、それほど問題ではない。
人口減少は、“量”の変化ではあるが、“質”の変化ではない。もちろん、人口減少に付随するテクニカルな問題(下に詳述する)は存在するが、人口が半分になっても、生活水準が半分になるわけではない。GDPが半分になっても、収入が半分になるわけではない。
平均年齢の上昇
少子化・高齢化により、平均年齢が上昇する。
日本の将来推計人口(平成24年1月推計)出生中位 (死亡中位) 推計、国勢調査より
一般的に、平均年齢が上昇するほど、新しい事をはじめようとする気力や、変化に対応する力は失われていく。保守的になっていく。平均年齢が60歳の会社と、平均年齢が30歳の会社を想像すれば、活力の差は歴然だろう。
少子化・高齢化
出生率の低下
まず、出生率、正確には合計特殊出生率とは、“一人の女性が一生に産む子供の平均数”である。合計特殊出生率が2(出産可能年齢以下で死亡する女性もいることから、正確には2.08くらい)あれば、将来的な人口は増減なく、一定になる。合計特殊出生率が2より小さければ、将来的に人口は減少し、2より大きければ、将来的に人口は増加する。
日本の合計特殊出生率は、上の図のように、概ね減少し続けている。2005年に1.26の最低値を記録した後は、わずかに改善しているが、それでも2010年に1.39と、非常に低い数字であることは間違いない。もちろん、現在の人口維持には不十分な数字だ。
人口問題:まとめ(未完)
一般的に、将来予測は極めて難しい。
来年の株価が上がるか下がるか、来年までに大地震が起こるかどうか、誰も分からない。しかし例外的に、将来の人口は、よほどの出来事(大災害や、出生率の大幅な変化)が起こらない限り、かなり正確に予測できる。そして、将来の人口・人口構成が予測できれば、それに伴う問題もおおよそ正確に予測することができる。
数十年前より、現状の出生率が続けば、将来的に少子化・高齢化が進み、様々な社会問題が生じると予測されてきた。予測されてきたものの、現状は何ら改善されることはなく、少子化・高齢化は進行の一途を辿っている。
ここでは、少子化・高齢化に伴う諸々の社会問題を、人口問題という。このまま、現状が継続すれば、将来の人口はどうなるのか、人口問題がどうなるのか、考えてみたい。