例によって突然、機能性アンダーウェアに凝り始めた。
何種類か購入して、着比べてみたので、現時点(2014年11月)での感想を記録しておく。
というのも、職場まで自転車で通勤しているのだが、自転車というのは結構汗をかく。のんびり漕いでいればそれほどではないが、坂道を上がるときや全速力で走るときは、結構な運動量になる。
自分の性格上、走るときはフルスロットル、止まるときはフルブレーキと、必死に走ってしまう。家から職場まで15分ほどだが、職場に着くと汗だくになっている。
よくよく考えると、サイクリングというのはウェアにとって、極めて過酷な環境だ。
止まっているときは無風だが、走っているとかなり風が吹く。運動量も、クルージングでは大したことがないが、全力でペダルを回すこともある。気温も、40℃近い真夏日から、信州の寒い日ではマイナス20℃まで下がることもある。そのように激変する風量・気温・運動量という環境下で、適切に汗を逃がしつつ、温度を保つ必要がある。
ベースレイヤー(アンダーウェア)とは、簡単に言うと肌着のこと。汗を素早く吸収拡散し、体温を適切に保つ目的を持っている。ウェアのレイアリング(重ね着)の、土台となる部分だ。
普段着では、肌触りや外見が重視されるが、運動するときに大切なのは、速乾性と保温性。普通の綿のTシャツで激しい運動をすると、汗がべったり不快になるし、しばらくすると汗冷えしてくる。しかし、速乾性に優れたアンダーウェアなら、ウェアが素早く汗を吸収拡散してくれる。かなり汗をかいたと思っても、肌はサラサラで気持ちが良いし、汗冷えもしない。気持ち良く運動ができる。
今回、アウトドアブランドのベースレイヤーをいくつか買って、着比べてみた。
モンベル ジオライン
2014年10月、ジオライン M.W. ラウンドネックシャツ (M)を購入。4,731円。
着心地は柔らか。着ていて落ち着く感じ。ただし日本人フィットのため、袖が短い。
薄手だが、暖かい。汗をかいても、すぐ乾く。とても快適。
Arc’teryx Phase AR
2014年10月、Arc’teryx Phase AR Crew LS (S)を購入。8,424円。
タイトフィットで、まさしくスポーツウェアという感じ。着るとなんだか、落ち着かない。運動しなければいけない気分になってくる。モンベルのジオラインを着てカウチポテトするのは良いが、アークテリクスでカウチポテトはなんだか気が引ける。
今回買った中では、一番薄手。保温性はやや劣るが、速乾性では一番。脇下の生地が薄手になっており、さらに通気性が良い。袖も長めで、ちょうど良い。
Patagonia Capilene
2014年10月、CAPILENE 3 MIDWEIGHT ZIP-NECK (M)を購入。7,236円。
サイクリング時にも使うが、他にもスキーやスノーボードで使用しようと考えて、購入した。
着心地は良い。ジッパーがあるので、温度調節も出来る。今回購入した物の中では、一番厚手。当然保温性は良いが、速乾性はやや落ちる。
残念なところは、中途半端にアジアフィットなので、袖の長さが少し足りない。海外メーカーの利点がなくなってしまっている。まあ、標準的な体型の人には良いのだろうけど。
各製品を比べると、着心地は、
モンベル ジオライン M.W.>Patagonia Capilene 3>Arc’teryx Phase AR
ジオラインが一番柔らかくて、気持ちが良い。Phase ARの着心地も悪くはないが、なんとなく落ち着かない。普段着では使いづらい。
保温性は、
Patagonia Capilene 3≧モンベル ジオライン M.W.>Arc’teryx Phase AR
速乾性は、
Arc’teryx Phase AR≧モンベル ジオライン M.W.>Patagonia Capilene 3
袖の長さは、
Arc’teryx Phase AR>Patagonia Capilene 3>モンベル ジオライン M.W.
僕の場合、腕が長めなので、海外モデルがジャストフィットする。パタゴニアがアジアフィットになってしまっているのが、残念でならない。
等号付き(≧)は、ほぼ同じかわずかに劣る、という意味。ただし、着心地も保温性も速乾性も、全て僕の主観によるもの。人によって、感じ方は変わってくるだろう。
総合的には、モンベル ジオライン M.W.がバランスが取れていて、一番良いと思う。コストも含めれば、圧倒的に良い。
あと、自分が重視しているのは耐久性。やっぱり、良い物は長く使いたい。
生地を触った感じでは、Phase AR>Capilene>ジオラインの順で、丈夫そう。ジオラインは柔らかくて触り心地が良い反面、すこし弱い印象。ただし、本当のところは長年使ってみないと分からない。今後使ってみて、追加でレポートする予定。
と、現時点での感想を書いたが、基本的にはどれも快適。綿のTシャツに比べると暖かいし、汗をかいてもすぐ乾く。汗冷えしない、ベタつかない。
1000円のTシャツと比べると安い買い物ではないが、値段分の価値はある。
追記
3月に入り、だんだん暖かくなってきた。そろそろ冬用のアンダーウェアが役目を終える時期だ。
昨年秋から冬にかけて5ヶ月程度、色々なアンダーウェアを使用した。今の時点での感想を記しておく。
モンベル ジオライン
ソフトで肌触りが良いが、やはり生地自体が弱い。
2年前に購入したM.W.ラウンドネックシャツは、あまり使っていないのにも関わらず、小さな穴が空いてしまった。もちろん、洗濯時にはネットに入れて、丁寧に使っている。
指のささくれに引っかかってしまうことも多く、取り扱いには気を遣う。
コストは安いが、耐久性という点では今ひとつ。
Patagonia Capilene
実のところ、あまり使っていない。
関東の冬は、キャプリーン3では暑すぎる。寒いスキー場で使おうと思ったが、行かないままシーズンが終わってしまった。
未評価。
Arc’teryx Phase AR
最初は着心地がイマイチと感じたが、回数を重ねるにつれて慣れた。
汗の抜けが一番良く、生地もしっかりしている。一番のお気に入り。
ジオラインに比べると倍の値段だが、それだけの価値はある。
ユニクロ ヒートテック
セールの時期に度々買い足している。
着心地は良いが、他の機能性アンダーウェアと比べると、保温性・速乾性・生地の強さなど、劣る面が多い。しかし、上も下も1000円以下で買える、というコストパフォーマンスは圧倒的だ。
結局、
- 日常生活ではベストの物は必要ない。
- アンダーウェアは消耗品なので、コストパフォーマンスが大切。
ということだ。
この冬は、ヒートテックが半分、残りをジオラインとPhase ARで過ごした。
コストパフォーマンスが一番良いのがヒートテック、パフォーマンスだけを考えるとArc’teryx Phase、というのが現時点(2015年3月)での結論だ。